嫁さんが突然、昔、着物を掛けていた折り畳みの出来るそんな家具が欲しいと言いました。
衣紋掛けばかり思っていましたが正式には衣桁(いこう)という名称であることが分りました。
衣紋掛けは着物用のハンガーみたいなもので肩幅以上の真っ直ぐな板あるいは竹製のもののようです。
着物の場合袖まで真っ直ぐにのばしておかないとシワになります。
若い方はご存じないかも知れませんが昔はどの家にもありました。
生まれた家にもあり父親は帰宅後着物に着替えるのが普通で、この家具に掛けていた着物に着替えていたことを思い出します。
着物を衣紋掛けに掛けこの家具にぶら下げていたものです。
昔を思い出しどんなだったか考えながら試行錯誤で作ってみました。
子供の時細い木でぶら下がった折れると注意されたものです。それと漆を塗っていたことを思い出しました。
出来る限り記憶を再現して作ってみることに。
木は強度が持つ出来る限り細く、縦の部分は丸くなるように昔ながらの鉋で削り、横棒は少し出し端は斜めにカットしてみました。
また折りたたむと引っかけ金具が当たります。その為合い組で木の厚みを利用し、たたんでも金具が当たらないように工夫しました。
塗装は赤ベンガラを柿渋でときウエスで塗り込みましたがそのままでは赤ベンガラがつきます。
一週間ほど乾燥後目の細かなペーパーで磨き再度ベンガラを薄く塗り、乾燥後荏胡麻を塗りこみました。その後十分乾燥させると色移りはしません。
使用できるまで1ヶ月ほどかかりましたがほぼ当初の構想通りのものが出来たと思います。
作ってみて結構便利です。日常着る服を無造作に掛けることが出来ますし、その辺に置くことを思えば乾燥します。
寝室に置いて使用しています。
昔の人はよく考えてもので日常、狭い部屋で大きな着物を広げて乾燥させ、お客などの時折りたたんでしまえます。
しかも2kぐらいと軽く、片付けも容易です。普通は脱いだ着物が乾燥すればその前に置いた和紙で作られた箱に畳んで置いていました。
失敗したことは部屋に置いたとき横幅が大きすぎたかなということです。
横幅は半間の91cm、高さは身長に合わせて160cmとしましたが、横幅はもう少し狭かったような60cmぐらいの記憶があります